Akira Eguchi Piano Recital Live、限定盤
〜江口玲と訪ねる世界の巨匠たち<憂愁のロシア>〜
浜離宮朝日ホール
11/26 2004年
使用ピアノ、1887年製ニューヨーク・スタインウェイ(タカギクラヴィア所有)
ロシアのピアノ作品を演奏するにあたってまず考え込んだのは、そのロマンティシズムの表現方法だった。根源はヨーロッパの音楽でありながら独特の発展を遂げたロシアの音楽のユニークさは、ロシアの気候、言語、文化、生活、気質、全てに影響されたものであろうが、それらをいったいどのように表現すれば良いのか?答えのヒントを探るべく、ロシアの作品を20世紀ロシアのピアニストたちの演奏で聴いてみた。ムソルグスキーの編曲をしたホロヴィッツはもちろん、リヒテル、ギレリス、ラフマニノフと言ったいわゆる一昔前の大御所たちの演奏である。そして私が得たものは?対極に位置するリヒテルとホロヴィッツの間には音楽的な共通点は何も見いだせなかったという、当たり前の事実だった。そしてふっきれたのである。自分が楽譜から感じ得た通りに演奏すれば、ロシアの響きがするはずなのだ。偉大な作曲家たちは皆、そのように楽譜を書いている。それほど彼らの音楽はおおらかで強いものなのである。ローズウッドのNYスタインウェイ(1887年製)は、彼らの求めたものを当然のことながら知っていた。ホロヴィッツの演奏も、チャイコフスキーの指揮も、もしかしたらラフマニノフの演奏をも見てきた楽器なのだから。彼(ローズウッド)にはそんなことは全てお見通しだった。私の青さに対し優しく微笑むローズウッド、彼にまたしても助けられた一晩であった。
感謝をこめて、
江口 玲
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Rachmaninoff: Elegie Op.3-1
Tchaikovsky: Dumka Op.59
Prokofiev: Toccata op.11
Scriabin: Sonata No.4 Op.30
Mussorgsky/Horowitz: Pictures at an Exhibition
Tchaikovsky: Dance of the Sugar Candies from The Nutcracker
限定盤につき、コンサート当日のお申し込みのみにて閉め切らせて頂きました。一般販売はされておりません。ご了承ください。
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