南北戦争 (1861-65) の中でも激戦であった「マナッサスの戦い」の模様を聞いたトム少年は非常に興奮し、一気に作曲したらしい。
曲には詳細に描写が書き記されている。
まず遠くから小太鼓の音と笛の音と共に、南部の歌 "The Girl I left behind me"「あとに残して来た少女」を奏しながら南軍が行進してくる様子、
次に北軍がやはり遠くから"Dixie"「ディキシー」のメロディーでやってくるところから始まる。
そして戦い前夜の野営の静けさ、時折武具がふれあう音が聞こえてくる。
突然南軍ボーリガード将軍 (Gen. Pierre G.T. Beauregard, 1818-1893) のラッパが吹き鳴らされ、それに北軍マクダウェル将軍(Gen. Irvin McDowell, 1818-1885)のラッパが答えると、戦いが始まる。
鳴り響く大砲、戦いを鼓舞する軍歌、当時南軍の歌として歌われていた"The Marseillaise"「マルセイエーズ」(現フランス国歌)、そしてアメリカ国歌。
やがて汽車の音と汽笛が聞こえ、南軍のカービー・スミス将軍 (Gen. Kirby Smith, 1824-1893) の軍隊が応援に現れ、戦いはますます激しさを増して曲は終わる。口で汽車の走る音 (Chu, Chu,) を発し、笛を吹く、という指示がある。
南軍を応援し、この曲を演奏することによって南部の聴衆は喜ぶ。熱狂的な聴衆に触れることがこの少年にとっては最高の喜びだった。
自分自身が南部における「自由の無い奴隷」であることも理解できず、この戦いが奴隷解放のためであることも知らず、、、、、、、、
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