〜〜 曲目解説 〜〜  

10

リアルトのさざなみ
Realto Ripples


11 ~ 17

7 つの前奏曲
Seven Preludes

          前奏曲第一番
          Prelude No.1

          前奏曲(メロディー第17番)
          Prelude (Melody No.17)

          前奏曲(ルバート)
          Prelude (Rubato)

          前奏曲第二番(ブルー・ララバイ)
          Prelude No.2 (Blue Lullaby)

          前奏曲(4度のノヴェレッテ)
          Prelude (Novelette in Fourths)

          前奏曲第三番(スペイン風前奏曲)
          Prelude No.3 (Spanish Prelude)

          前奏曲 (断片)
          Prelude (Fragment)

ジョージ・ガーシュウィン作曲
By George Gershwin


18
アイ・ガット・リズム
ジョージ・ガーシュウィン/江口玲編曲
I Got Rhythm
George Gershwin/Arr. by Akira Eguchi


 ユダヤ系ロシア人移民の両親の元に生まれたジョージ・ガーシュウィン(1898-1937)は10歳の時に友人のバイオリンリサイタルを聴いて音楽に目覚め、ピアノのレッスンを受け始めた。 高校を中退した15歳のガーシュウィンはNYのティン・パン・アリー(Tin Pan Alley)で当時全盛期だったラグタイムの奏者として働き始めた。 当時の演奏はピアノロールにも多数残されている。 この「リアルトのさざなみ」は19歳の時に出版され、彼の名を一躍有名にした出世作である。
 二十代後半の頃、本格的に作曲を勉強しようとパリに行ったが、師匠のナディア・ブーランジェー (Nadia Boulanger, 1887-1979) は、彼がクラシックの書法を学ぶことが良いことかどうか、心配もしていたようである。やがてこの心配は実際のものとなり、ガーシュウィンをしばらくの間スランプに陥らせる原因ともなる。  モーリス・ラヴェルは彼の才能を非常に高く評価していた。 ラヴェル、ドビュッシーらの印象派の書法はガーシュウィンにも大きな影響を与え、同時にフランスの作曲家たちにもジャズのイディオムは大きな影響を与えた。 エリック・サティやドビュッシーがケークウォークを取り入れ、ラヴェルはブルースを彼のバイオリンソナタに使い、同時にクラシックのピアニズムを継承したガーシュウィンの書法は、多くのクラシックピアニストたちをも魅了していった。
 なおここに録音されているアイ・ゴット・リズムの楽譜は、全音楽譜出版社の「G. ガーシュウィン ピアノ作品集」江口玲編曲、の中に含まれている。




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